あなたが最初に小説を書く際に戦うのは己の羞恥心だ

羞恥心を乗り越えて

とまぁ偉そうに言ってみましたが、「小説を書く」ということの最初のハードルは道具の問題ではなくて、「恥ずかしい!!」という感情との戦いです。

小説を書いたことのある人は共感してもらえると思いますが、最初の作品を書き出す時って、すごく恥ずかしいんですよね。

「みんな恥ずかしさを感じてきたんだぜ!」って知っているだけでも、小説を書き始めやすくなるんじゃないかな。

最初はみんな恥ずかしかった

自分の頭の中にある物語を文字にしたのが小説だ! なんてこのページで書きました。

私たちが小説を書くために必要なことって何だろう?
小説を書くのにまず必要なのは、小説の書き方を勉強することでも、小説を書くための道具を揃えることでもなく、物語を作ることです。あなたの頭の中にある素晴らしい物語こそ、小説を書くのに必要なものなのです。

文字にするということは、他の人にも伝わるということ。

それってつまり、頭の中を他の人に見られているようなものなんです。

心を読まれている状態、そう考えると、恥ずかしさの原因が何となく分かってきますね。

他の人に見られると、評価を受けることも

小説を書いた以上、やっぱり人に見てもらいたいもの。

でも人に見てもらうと、作品の評価を受けることもあります。

  • 誤字、脱字がいっぱいだった
  • 登場人物が何を考えているか分からない
  • 何でこんな展開になったの
  • 長いだけで全体が掴めない
  • 睡眠導入剤として最適な小説ね

なんて、散々な感想や評価をもらうことも。

ええ、私が言われた評価です。

こうした評価って、最初は自分の落ち度を指摘されているように感じちゃうんですよね。

自分の落ち度、欠点を指摘されること = 恥ずかしい!!

みたいな公式が心の中にあるのです。

元を辿れば、学校教育の場で、先生に当てられる→答えたけど間違えた→笑われる→間違えることは恥ずかしい! といった経験、学習があったからこそ、「間違えることは恥ずかしいんだ……」という考えに繋がるのです。

この考えから、「完璧な小説を書かなきゃ……」という想いに至り、小説を描こうとする筆が鋼鉄のごとく重く感じられる訳です。

なんてこった。

評価は気にしない

「自分は書きたいものを書いているんだ!! 他の人がどう感じるかなんて、知ったことか!!」

これくらいの気持ちでいてもいいと思います。

傲慢であるかのように見えますが、最初の作品を書き切る前に筆を折るよりは遥かにマシです。

書いて発表した小説は、良い悪いは別として必ず評価を受けてしまうもの。

受け手の感性や経験によってその評価が分かれるのですから、気にしすぎても良いことはありません。

何度か小説を書いた上で、さらに自分の実力を磨く時に、評価やフィードバックを小説に反映する、ということはありますが、最初はそんなこと忘れましょう。

まずは何を言われようと、思い描いた物語を小説にすることが大事です。

だんだんと読んでもらうのが嬉しくなる

最初は散々な評価でも、1人くらいは褒めてくれる人が出てきます。

そうすると、小説を読んでもらうことが嬉しくなってくるんですよね。

最初はあんなに恥ずかしかったのに。不思議。

私の場合も、最初は小説を書いている大学の友人から「とにかく書いて持ってこい。期限は来週末な」なんて期限を切られて必死で書きました。

もちろん必死とはいえ、恥ずかしいことには変わりありません。

一生懸命書き上げて、友人に読んでもらっている間は何を言われるか、そりゃもうドキドキでした。

たしかメールで小説のファイルを送ったので、その返事を待っている間は勉強が手につかなかった記憶があります。

待ちに待った返信の冒頭には、「初めてなのにこれだけ書けるとは思わなかった。よくやったな」とあり、ガッツポーズをした思い出。

もちろん、その後には指摘がずらりと並んでいましたが、それも一生懸命読んでもらった証ですから、嬉しくなりました。

友人は小説を書いていたからこそ、最初から筆を折らないように気を遣ってくれたのかもしれませんが、これが私の励みになったのも事実です。

褒めてくれる人に見せるのもあり

ちょっとずるいかもしれませんが、最初の小説はポジティブなことを言ってくれる人に見せるのも手です。

嫌味ったらしいネガティブな人に見せたら、十中八九ボロクソに言われますものね。

そうなると、小説を書くことに対するイメージが最悪なものになります。

それを防ぐためにも、ポジティブな人に見てもらうのがおすすめです。

最初に成功体験を持っていれば、その後の評価も肯定的に受けられますし。

恥ずかしさを乗り越えよう

あなたがこの後書く、後世に残る偉大な作品に比べたら、最初の作品は拙いものかもしれません。

それでも、小説を書いて発表する、というプロセスを経るのは大きな一歩です。

最初の恥ずかしさなんて、後から振り返れば些細なものです。

えいやっと目を瞑って一歩飛び出してみませんか?