小説を書くのに必要なことって何でしょうか?
パソコン、紙とペンを揃えること?
それも正解ですが、実はこれらの前に、もっと大事なことがあるんです。
それは、物語を紡ぎ出すということ。
極論、頭があればいい
小説を書くというのは、言い換えれば、物語を作るということ。
物語を作るのは、道具が無くてもできますよね。
自分の頭の中で物語を作り上げればいいんですもの。
そう、自分の頭があれば、そこに物語を作ることができるんです。
道具は手段
自分だけが楽しむのであれば、頭の中に物語があればそれで十分です。
でも人間だから、他者と共有したい、という欲も出てくる訳で。
自分の作った物語を他の人と共有するなんて、とても素敵なことです。
そんな時に必要になるのが、伝える手段。
自分の中にあるものを伝える方法が必要になるのです。
手段はたくさん
例えば耳で聞いてもらうなら、自分の声で伝えるという方法があります。
識字率の高くない時代や場所であれば、知識や物語は口伝で伝えられたことでしょう。
口承文学なんかはこれに当たりますね。
例えば目で見てもらう、読んでもらうなら、文字や映像で伝えるという方法があります。
映像で物語を伝えるのは、テレビドラマだったり、映画だったり。
映像作品と呼ばれるものがこの形式です。
古くは活動写真なんて呼ばれていた時代もあります。
文字で物語を伝えるのは、このページに来たあなたの頭の中にあるように、小説がその例ですね。
挿絵があれば絵本、絵に比重を置けば漫画になるかもしれません。
物語を伝える手段は多岐にわたっており、小説はそのうちのひとつなのです。
必要なのは物語
小説は文字で著された物語。
言い換えれば、物語の伝え方における、ひとつの形式が小説です。
物語があって、小説が生まれるのです。
「小説を書きたい!!」という気持ちは、おそらく「自分の紡いだ物語を誰かに伝えたい!!」という気持ち。
小説という形式にこだわりすぎるあまり、あなたの頭の中にある素敵な物語が語られないのは、人類にとって大きな損失です。
小説以外の方法で、その物語をより良く伝えられないか考えるのもひとつの手です。
それでも小説として伝えたいんだ!!
このページに来てくれたあなたに、小説以外の方法で伝えろだなんて、失礼な話でしたね。
小説として物語を伝えたい、という熱い想いを持ったあなたは、きっといい小説を読んだことがあるからこそ、小説という形式に魅力を感じているのでしょう。
そんなあなたにこそ、出発点はあなたの中にある素敵な物語なんだと自信を持って欲しいのです。
何を隠そう、私自身が、小説の書き方や道具にこだわってしまい、踏み出すのが遅くなったから。
テキストエディタは何がいい、そもそも文章の書き方は、なんて気にし過ぎて時間だけが過ぎていきました。
そんな時、友人に言われたのが、「どんな方法でもいいから、君の中にある物語を伝えてくれ」という言葉。
そう言われて、一番自分の熱い想いを込められる小説の形で、大学入学時に買ったパソコンのメモ帳に、頭の中の物語を書き付けました。
文章の書き方として正しくない部分は多かったけれど、それが一歩踏み出すきっかけになりました。
表現する方法はたくさんある
私の場合はパソコンのメモ帳でした。
Windowsのメモ帳なので、行番号表示もなければ、文字カウント機能だってありませんでした。
それでも、頭の中に物語があれば、小説を書けるんです(もちろん、質や効率は別ですよ)。
今ではこだわらなければ、道具はいくらでもあります。
パソコンもそうですし、スマートフォンだって物語を書き記すことができます。
いっそのこと、スマートフォンの録音アプリに、音声で物語を吹き込むのもいいかもしれません。
もちろん、原稿用紙を用意して万年筆で書くのだっていいでしょう。
頭の中に物語があれば、どんな道具だってきっと書けます。
書きながら物語を完成させるという人でも、そのあらすじだったり、一場面は頭の中にあったはず。
まずはそれをアウトプットすることが大事です。
結論として、必要なのは
あなたの頭の中にある物語です。
ちょっとでもそれを文字に起こしてみれば、堰を切ったようにどんどん文章が溢れて来ます。
だから、小説の書き方や道具にこだわりすぎず、まず一歩、一緒に踏み出してみましょう。